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横浜支部会「会社法」勉強会

会社法の勉強会に参加してきました
朝9時40分から17時40分までビッチリ(昼休憩1時間20分ありましたけど)

講師は愛知の大学の助教授で中央大インストラクター

テーマは「会社の資金調達手段 株式発行を中心にして」ということで
株式中心の講義でした

会社法で定義している資金調達手段は大きく4つです
株式発行 社債発行 借入れ 内部留保

中でも株式は会社の自己資本となるため、株主に対する払い戻し禁止の原則が
あり、「返さなくてもいい ではなくて 返してはダメ」で
多数の人から少しずつ集めるため、集めやすい という特徴もあり、経営の
安定性にもつながるため、多くの経営者にとって魅力がある

さらに会社法は集めやすい工夫をしています
・株式譲渡自由の原則(127条) 投下資本の回収を確保
・有限責任制度(104条) 出資者に安心感。出資のしやすさを確保
・一株一議決権の原則(308条) 発言力を出資につなげる
・所有と経営の分離 経営能力がなくても出資できる機会を確保
などがあり、さらに改正では手続きやルールの見直しを行い、今後はスピード対応を
考えているとのこと

株式の発行方法には大きく3つあり
・株主割当 既存株主に所有株式数に応じて株式を割り当てる
 メリット:既存株主の持ち株比率が維持できる。既存株主の保護
 デメリット:大規模な資金調達がやりにくい。既存株主に出資できるか不明
・第三者割当 特定の者(既存株主+新規株主)に株式を割り当てる
 メリット:資金能力に応じて適切に発行できる
 デメリット:持ち株比率に変化。発行価額によっては既存株主が害される
・公募 不特定多数の者に対して割り当てる
 メリット:多数から出資してもらうことで資金調達が成功しやすい
 デメリット:持ち株比率が変化する

と、様々なメリットとデメリットがあるので、一つのデメリットを調整するために
複数の方法を会社法は用意していると

また、会社法で株式制度に様々な規定を置いているのはなぜか?
→ ガバナンスの視点(利害調整)とファイナンスの視点(資金調達の迅速性、多様性)と
  2つの視点で考えると理解しやすいということでしたが、まだまだ勉強が・・・

また、発行事項の決定機関についても話があり、公開会社と非公開会社で違いがあるのは
なぜか?についても講義があり・・・
これもさきほどの2つの視点、そして会社法の存在意義は会社を守ることという前提条件で
考えれば理解できるということでした・・・

ところで
有利発行・・・募集株式を特に有利な金額で発行すること(特定に安売り)で、有利な金額
っていくらだと思います?
何をもって「特に有利な金額」であるかは会社法に規定はないんですが、実務上の基準では
取締役会前日の市場価格の90%以上であれば有利発行ではないようです

また、株式発行の差止請求(株式発行を事前にやめさせる)210条のポイントは
・株式の発行が会社の利益になっているか
・どのような目的で株式を発行しているか
・既存株主の利益を著しく害する
で、主要目的ルール(資金調達と支配のどちらが主要なのか)で基準を検討する

会社法の制度設計では、事前通知で差止請求の実効性を確保している
(公示手続きで、差止請求すべき事例であるのか、判断基準と考慮期間を確保している)

と、いろいろと考えられています

発行の無効(事実を白紙に戻す)についての裁判所の見解も興味深く、ほとんどが無効を
認めていません
取締役会、株主総会を開催していなくてもOK(無効にするほどの理由でもない)
著しく不公正な発行であっても無効ではないと・・・
批判は多々あるようですが

株式引受人、取締役の責任についても言及していました

後半のメインだったのが種類株式(普通株式とは権利が異なる株式)
発行するには定款に記載が必要らしいですが、株主総会の特別決議だけで変更できるそうで
定款の記載が、株主保護、投資者保護の目的だとすると少々疑問が残ります

種類株式には
①優先株式
②劣後株式
③議決権制限株式
④譲渡制限株式(譲渡自由の原則を否定する珍しい株式)経営者ニーズ
⑤取得請求権付株式
⑥取得条項付株式
⑦全部取得条項付種類株式(会社を作り直す時など仕切り直し用)
⑧拒否権付種類株式
⑨種類株主総会において取締役または監査役を選任する株式      があります
経営者のニーズ(経営のやりやすさ)と株主のニーズ(出資意欲)に合わせるために
バリエーションが増えていて、今後も改正で増える予定だそうです
当然ながら、これから改正されようとしている部分が重要だそうで、今後、勉強してほしい
と言われました

上記の種類株式の中でも⑧と⑨はベンチャー、合併会社向けで委員会設置会社と公開会社
は発行できない(108条)
例をあげて説明すると
技術はあるけど、資金と経営能力がないA社
資金と経営能力はあるけど、技術がないB社が出資して合併会社を設立
当然ながら、B社のほうが有利なため出資比率は A社:B社 = 20% : 80%に
こうなると、A社は発言力が弱く、何かと不利
こういう時に A社には拒否権付種類株式を、B社には普通株式を発行
すると、A社は普通株主総会で決議した事項を種類株主総会で拒否できると・・・
これで対等な交渉が期待できるという仕組みだそうです

まる一日勉強しましたが、株式発行は奥が深くて、とりあえず基礎をサラッとやった感じです
今後は改正を睨みつつ、2つの視点で考えるようにしたいと思います
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